畳の種類と選ぶ際のポイントを紹介

公開日:2025/01/15  

畳 種類畳の芯材である畳床には、様々な種類のものがあります。そのため、畳床の種類とその特徴や使用されている素材の知識をつけておけば、いざ畳の張替えをすることになった時に役立つことでしょう。本記事では畳床の種類と選ぶ際のポイントをまとめて解説するので、畳選びにぜひ活かしてください。

畳床の種類とその特徴

畳床は、畳表の下にある芯材で、クッション性や断熱性に影響を与える重要な部分です。畳を選ぶ際には畳表だけでなく、畳床の種類や特徴にも注目することが大切です。主に3種類の畳床があり、それぞれ異なる特徴を持っています。

稲わら畳床

稲わらは、伝統的で高級な畳床素材です。特級から3級まで等級があり、調湿機能や保温機能が期待できるのが特徴です。わらを重ねることで自然に空気層が形成され、湿気を吸収・放出したり熱の保持ができます。また、弾力性が高く、踏んだときの柔らかい感触が心地よさを生みます。

ただし、稲わら畳床は重いため、通気性の良い環境で使用しないとカビやダニの発生を懸念しなければいけません。特に、気密性の高い場所では、こまめなお手入れが必要です。

サンドイッチ畳床

サンドイッチ畳床は、稲わらの間にポリスチレンフォームを挟んだ構造を持ちます。湿気に強く、軽量で断熱性や耐久性にも優れており、踏み心地は稲わら畳床に近いものがあります。また、稲わら畳床よりも低価格なので、高品質を求めながらコストを抑えたい場合に最適です。そして、湿気がこもりやすい環境でも使用しやすい点が大きな魅力です。

建材畳床

建材畳床は、インシュレンボード(木製繊維)とポリスチレンフォームを使用した人工素材の畳床です。ダニの発生が少なく、断熱性や吸音性が高いのがメリットといえます。また、他の畳床と比較してコストが低く、市場に出回る畳の7〜8割を占める普及率の高いタイプです。ただし、耐久性がやや低く、踏み心地が固い、調湿効果が少ないといったデメリットもあります。

畳に使われる素材

畳の表面を覆う「畳表」は、使用される素材によって特徴が異なります。伝統的な「い草」のほか、近年では化学製品を使用した畳表も普及しています。それぞれの素材の特徴を理解することで、用途や好みに合った畳を選ぶことが可能です。

国産い草

古来より畳の素材として用いられてきたのが、国産のい草です。耐久性と弾力に優れ、色合い、光沢、香りが良いことから、高品質な畳表として定評があります。そのため、見た目も美しく、香りが楽しめるのが特徴です。主な産地は熊本県、福岡県、広島県などで、特に熊本県産のい草は国産の約90%を占めています。価格は高いものの、品質を重視する場面で選ばれることが多いです。

中国産い草

現在、日本市場に流通している畳表の約8割は中国産い草が占めています。その最大の特徴は、安価なことです。主な生産地は寧波、上海、蘇州、四川などで、価格を重視する一般家庭で多く利用されています。しかし、国産と比較すると、耐久性や弾力性、吸湿性が劣るとされており、色味や品質にムラがあることが指摘されています。

化学表

近年では、い草に代わって和紙やポリプロピレンを原材料とする化学表も登場しています。これらの素材は天然のい草を模した構造で作られており、自由な着色が可能です。そのため、豊富なカラーバリエーションを持つ畳が製造でき、インテリアの選択肢が広がります。

化学表のメリットとしては「褪色しにくい」「水に強い」「耐久性が高い」点が挙げられます。ただし、い草特有の風合いや香りは得られないため、自然素材ならではの魅力を求める場合には適していません。

畳を選ぶ際のポイント

畳を選ぶ際には、見た目や価格だけでなく、素材や構造に注目して品質を確認することが重要です。ここでは、畳選びでチェックすべきポイントを詳しく紹介します。

い草の本数

畳表に使用されるい草の本数は、畳の美観や耐久性能に大きく影響します。本数が多いほど畳表の地が厚くなるため、高品質とされています。そして、い草の本数が多い畳は重量も重く、耐久性が高いのが特徴です。そのため、高級品を選ぶほど美しい見た目と長持ちする品質が期待できます。

経糸の種類

畳表は、緯糸となるい草と経糸で織られています。経糸の素材は畳の耐久性や仕上がりに影響を与えるため、注目すべきポイントです。一般的に綿よりも麻の方が耐久性が高いため、い草の本数が多い畳表では麻糸が使用されることが多いです。一方、普及品ではコストを抑えるために綿糸が多用される傾向にあります。

畳縁の柄

畳縁(たたみべり)は、畳の角を保護し、見栄えを良くするための重要な要素です。現在の畳縁は、耐久性が高く価格も安価な化学繊維製が主流です。一方、昔ながらの綿糸製は高級感があり質感も良いですが、一般家庭ではほとんど使用されていません。

畳縁は部屋の印象に影響を与えるため、デザイン選びも重要です。伝統的な柄からモダンなものまでバリエーションが豊富で、部屋の色や雰囲気に合わせて選ぶことで調和の取れた空間を作り出せます。

まとめ

畳は日本の伝統的な床材として親しまれていますが、その品質や快適性は素材や構造によって大きく異なります。芯材である畳床には「稲わら畳床」「サンドイッチ畳床」「建材畳床」の3種類があります。これらは、それぞれが異なる特徴とメリットを持っているのです。伝統的な稲わら畳床は高い調湿性や弾力性が魅力で、サンドイッチ畳床は軽量かつ湿気に強く、建材畳床は耐久性やコスト面で優れています。一方、表面の畳表には国産い草、中国産い草、化学表の選択肢があり、用途や好みに応じた選択が可能です。また、い草の本数や経糸の素材、畳縁のデザインも選び方のポイントになります。これらを総合的に検討し、機能性と美しさを兼ね備えた畳を選びましょう。

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