自宅の畳を琉球畳に張り替えるメリット・デメリットとは?
昔ながらの日本の家には風情ある畳の和室が見られました。しかし近年はフローリング人気が高く、新築で和室をつくらない選択が増えてきています。一方、ライフスタイルの変化などのきっかけで、畳の部屋を設けたいと考える方も少なくありません。今回は、洋室との相性も抜群の琉球畳について、メリット・デメリットを踏まえて解説していきます。
琉球畳は一般的な畳と何が違う?
琉球畳は、一般的に使用される「い草」ではなく、「七島イ」という断面が三角形のい草を使用しています。「七島」とは、沖縄(琉球)のトカラ列島のことを指します。「七島イ」は琉球で生産されていたため、このい草から作られた畳を琉球畳と呼ぶようになりました。
現在は琉球ではなく、大分県の国東地方でのみ生産されており、大変希少品となっています。そのため、現在は縁のない半畳サイズの畳をまとめて琉球畳と呼ぶことが多いです。本記事では、本来使われている「七島イ」以外の素材で作られた琉球畳も含めて解説していきます。
自宅の畳を琉球畳に張り替えるメリット
自宅の畳を琉球畳に張り替えようと考えている方向けにメリットを紹介します。
デザイン性が高い
琉球畳は一般的な畳と違い、縁がありません。そのため、床がフローリングの洋室とも相性がよく、和室をリノベーションした際に部屋の雰囲気がガラッと変わります。琉球畳は形が正方形なので、織り目を互い違いに配置して、市松模様のように張るのが一般的です。小上がりなどの省スペースにも使いやすいのがメリットです。
豊富なカラーバリエーション
琉球畳はカラーバリエーションが豊富で、明るい雰囲気のオレンジやピンク、モダンなグレーなどの色合いがあります。畳のカラーを変えることで、部屋のイメージをスタイリッシュに変えることができ、2色使うことでさらにおしゃれな空間に仕上がります。
自宅の畳を琉球畳に張り替えるデメリット
おしゃれな空間を演出できる琉球畳ですが、デメリットもあります。購入前に確認しておきましょう。
費用が高価
「七島イ」を使用して作られた琉球畳は、希少性が高いため一枚当たりの値段も高価です。また、そのほかの琉球畳の場合も、一枚が半畳サイズのため、一部屋当たりに使用する畳の枚数が多くなり、通常の畳に比べて費用が多くかかります。
耐久性が低い
一般的ない草で作られた琉球畳は、耐久性が低いのもデメリットのひとつです。琉球畳には縁がないため、傷みやすい一面があります。使用環境や使い方にもよりますが、一般的な畳に比べて寿命が短い可能性が高いです。
お手入れに手間がかかる
い草は湿気を吸いやすく、ダニやカビが発生するリスクが高いといえます。湿気対策として、定期的に畳干しをするほかにも、日ごろからこまめに掃除する必要があります。
また、汚れがついても水拭きができないため、シミになりやすいので、取り扱いに注意しなければいけません。お手入れが面倒な方には、い草以外の素材でできた畳がおすすめです。抗菌加工が施されているものや、洗うことができる畳など、ライフスタイルに合わせて畳を選ぶといいでしょう。
琉球畳の張り替え費用相場
琉球畳にかかる費用は、「七島イ」を使用しているか、そうでないかで大きく異なります。
「七島イ」を使用している琉球畳の場合、一枚(半畳)あたり2万~3万円前後が相場の価格です。
一般的ない草や和紙、化学繊維などを使用した琉球畳は、一枚当たり1万円前後であることが多いです。
耐用年数についても、それぞれの素材によって違いが出ます。
「七島イ」でできた琉球畳は縁がなくても丈夫で、一般的な畳の約5~6倍ほど長持ちします。そのため、一度は張り替えた後はしばらく張り替えの必要がなく、長い目で見ると経済的といえるでしょう。
一方、い草でできた琉球畳は、縁がないので寿命が短くなってしまいます。和紙や化学繊維でできた琉球畳は、一般的ない草でできたものよりも長持ちします。
また、一般的な畳から琉球畳へ張り替えの場合、表替えはできないので新調することになります。かかる費用を抑えて、気軽に琉球畳を楽しみたいという方には、フローリングの上に置くフロア畳やユニット畳がおすすめです。大型家具店などで一枚3,000円くらいから購入でき、フローリングに置くだけで、簡単にお部屋が和モダンな空間に様変わりします。
まとめ
本記事では、自宅の畳を琉球畳に張り替えるメリット、デメリットを紹介しました。琉球畳は素材によって価格に違いがあり、性能も異なります。丈夫で長持ちする琉球畳に替えたいという方は、値は張りますが、「七島イ」が使用されているものを選ぶと良いでしょう。お手入れが簡単で比較的耐用性の高い琉球畳に替えたい方は、和紙や化学繊維でできたものがおすすめです。琉球畳には多様なカラーがありますので、好みに合わせてシックな雰囲気にもモダンな空間にも変えることができます。2色選ぶことでさらにバリエーションが広がります。それぞれのメリット、デメリットを踏まえて検討してみましょう。本記事が参考になれば幸いです。